ナースのお仕事

病院にはいろいろ事情があって 参画型看護計画というものを積極的に取り入れなければならないらしい。

そもそも
看護師は患者さん一人一人にオリジナルな看護計画を立案し、それに沿った看護を提供している。

そのうち参画型看護計画というのは患者さんの自立(律)を促し、疾病の治癒やコントロールについて円滑に事を進めるためのもんである。

こないだ参画型の説明をいつものように行っていて、とってもわかりにくいな、と思った。
(もちろんわたしの説明が悪いのもあるのだが、)これって看護師の仕事があまり知られていないことが原因の一つなんじゃないかな。
「患者さんのセルフケアのため」の部分の説明は良いとして(理解を求めることはそう難しくない)、「看護計画」そのものの存在が患者さんはよくわからんだろうな、と思ったのだ。

この前の研修で講師の先生もそんなことを言ってたし。「昔主人に看護師って何する人なん?て聞かれたんですが、わたしは上手く説明できなかったんですね。点滴する人?身体を拭く人?でもそれって業務の内容であって何が仕事かの説明ではないと思ったんです。」

その講義は医療倫理についての講義であった。看護師は国家免許であるが、高等教育機関の統一はされていないし、業務独占もない。現場の医師でも看護師と介護士の違いがわかっていない人も多いそうだ。なんだか難しい話だったがつまりのところ、看護師って世間的にもよくわからない、ふわふわしている立場のようだ。

わたしたちは風邪をひいたりケガをしたり、日常的に病院の世話になる機会があるにも関わらず、看護について知りもしないし看護計画なんて名前すら聞き覚えがない。
他の仕事もそうじゃないか、というとそうであるが、患者さん自身を医療にもっと参画させようとするならば、もっとこちら側から日常に看護や医療を馴染ませようとする努力は必要なんじゃないかなと思う。なんだか今のわたし自身の現状は、看護という行為と患者さんの参画という努力を交換しているような感じがする。努力しないなら看護しません、ということではないのだが、なんだか押し付けのような気がしてそのイメージが拭えない。

セルフケア、というならそれが誰かの押し付けであってはならない。患者さんが自分の内側から行動を律する、であってほしいのだが、どうしてもそのための「促し」が「指示」になる時があるように感じるのだ。