ポジティブフィードバック

職場の研修で、急変時のシミュレーションを行った。ここでのポジティブフィードバックがとても有効だと感じたのでここに残しておく。

60人ほどの同期の中から三人ずつ前に出て、事例のシミュレーションを通して振り返りをして、というのを4回繰り返すものだった。
場所は病院内にある研修用のシミュレーターや物品が揃っている部屋で、わたしたち病棟同期は1年目の頃からよくそこで手技の自主練習をしていた。

司会をしていた教育担当の師長さんは、わたしたちがよく練習をしているのを知っており、研修のたびに「◯◯(病棟名)の三人ね( ´ ▽ ` )ノ」と声をかけてくれる。
「じゃあどなたにやっていただきましょうか」という雰囲気になった瞬間、いや、あるいはその前からなんとなく嫌な予感はしていた。師長は案の定こちらを見てニコニコしている。当てられる。

シミュレーションはいつもしているが60人の前となると緊張感もひとしおである。
いざ始まる。頭は真っ白である。
いつもきょどってうまくできないができなさが半端ない。事例はアナフィラキシーだったけど気が付いたらAEDがきてて自分は心マをしていた。
そこで終了の声がかかる。
感想を求められるが、何もできたもんじゃない。いつも先輩に浴びせられる反省を己の口から先に出しておいた。
病棟で練習するときはいつも先輩からできていないことをピックアップされ、それをマシンガンのように撃たれる。これがつらい。

己の反省の後は評価者(みていた他の同期)からのフィードバックである。ここで司会からの指定は特になかったが、このフィードバックが予想に反してポジティブな、わたしたちをほめるような内容のコメントばかりであった。

ここでわたしたちが感じたのはほめられたことへの喜びではなかった。もちろん安堵もあったが、肯定を通しての自己の反省が浮かび、肯定されていることでその反省がとてもすんなりと受け入れられたのである。
いつも反省は浮かぶがここで病棟でのシミュレーションと異なるのは、肯定からの自己反省の方が受け入れがスムーズで成長に繋がりうる、と感じたことである。
これをなんと呼ぶのかわからないが、このようなフィードバックについてはWRAPでも行われており、きっと人の精神面に良い刺激を与えるに違いない。